指圧やマッサージ・健康法として効果ある…?

最近は少なくなりましたが、昔は初診で来て効果がないとプイと来なくなる患者(利用者)さんが沢山いました。とくに男性に多かったのですが、説明して表面上は納得してもそれでもう来ない人が多かったです。今でこそ指圧マッサージ店に女性も多く来院していますが、当時は男性がメインでした。では指圧治療室にはどのような方が来院するのか。昨今の傾向を解説します。

男性は一回で治る治療を求める…

男性の場合は1~2度の施術で結果を求める人が多いです。結果を出す手っ取り早い方法は「強く押す」ことです。それが現在の強圧主体の施術になったわけです。ただいくら強圧をしても、元々治り難いものや時間が掛かるものはどうしようがありません。「治るものは治る。治らないものは治らない」が現実の姿なんです。そもそも指圧・マッサージにかかる人は整形外科へ行ってダメで、そこで整体や整骨院に行っても治らない。そんな人が多いんですね。そして発症から数か月過ぎて、他所で体をイジられてこじらせた人が最後にやって来ます。それを『1~2回で治して…』というのは、いかにも都合が良すぎるのですが、治療師は黙って施術するわけです。結果は当然良くはありません。すると「指圧はダメだな」となって治療を中止する傾向が男性にはあります。

女性には「ケア」の概念がある…

ただこのような流れも女性利用者が増えるに連れ変わって来ました。女性には元々ケアという概念が生活の中にあります。ですから時間を掛けて体を整える事に抵抗感がないのですね。一方男性にはそのような精神文化はありません。飲み屋や遊びには大金を掛けて定期的に通うくせに、自身のケアには無頓着です。要するに頭が悪いんですね。一回通ってダメならイイや…ってなもんです。ところが女性はアドバイスして納得すると必ず継続しますね。だから結果もついて来ます。事実傾向として、女性の方が治りが良いんです。

「指圧はダメ」という評価は今はない…

女性利用者の増加につれて「指圧はダメだな」という評価は段々薄れて来たように思います。そしてこれからは手技治療は二極分化すると思われます。一方は街中にある「慰安娯楽」的な保健マッサージ。もう一方は健康を保持・管理するための「医療」的な指圧・整体です。

この業界は江戸時代から現在に至るまで、「アンマさん」と言われるような、生ぬるい構造がありました。「指圧・マッサージってお年寄りが受けるものでしょ…」と言われていた時代ならいざ知らず、現役世代が受療する現在ではもう誤魔化しは利きません。指圧で出来ること、出来ないこと。また治り難い症状や時間が掛かる症状などキチンと説明できなくてはダメだと思うんです。事実、指圧で対処できるトラブルは結構多いので、日頃から勉強会や研修会に熱心に参加している治療院なら安心できるでしょう。

まとめ

昔は「お年寄り専用」だった娯楽的な指圧・マッサージも時代の流れで若い方も受けるようになりました。今では利用者の中には単に健康維持だけでなく、症状やトラブルを訴える人も多くなりました。しかし病院治療で時間が掛かる症状は、指圧・整体治療でも同様です。女性のように「ケア」の意識をもって、ある程度継続的に取り組む事が回復の近道です。指圧は病院医療というより、家庭で日常遭遇するトラブルに対処する「軽医療」なので、それだけに治療院を決める時には、日頃から「勉強熱心の治療室かな…」と思える所を探すと安心できると思います。お近くにも必ずあると思います。

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