経絡指圧とは

 「経絡指圧」…。聞き慣れない名称ですが欧米では良く知られた指圧です。この指圧は「からだの不調を治す」ための指圧です。病医院に通院されている方や病気療養中の方、また病気ではないけれど体が辛いと感じている方などを対象にしています。世の中には病気ではないけれど、からだの不調を感じて悩んでいる方は大勢います。経絡指圧はそのような方々に施術をして、大変喜んで戴いております。

手指には本来生き物が持つ「本能的な治病」作用があります。「てあて」と言う呼び名があるように、私たちは痛みがあると咄嗟に手指を当てますが、これは気休めではありません。手を当てる事で、興奮が鎮まり痛みがラクになることを、体が本能的に知っているからです。指圧はその「てあて」を意識的にする事で、効率的に痛みや不調を治しているのです。

「てあて」の手段には色々あります。一般的には何か器具などを使って施術や手助けをする事が多いのですが、これはいわゆる生物にとって「他物」で、時として異物感が生じます。しかし人間の手指は同じものをあてがうので、異物感や違和感がなく、その強弱に関係なくソフトに作用し安心感が強いのです。

緊張というのは、決して一部が凝ったり張ったりした状態ではなく、全身的に筋肉が緊張・興奮していることです。従ってその一部を弛めてみても、その効果は断片的で効果としては薄いのです。指圧は全身指圧を建前としています。全身を指圧する事で、からだ中の筋肉を弛めて行きます。この効果は全身的でからだの隅々までの血行を促進し、全身をリラックスさせる効果があります。

自律神経は私たちの生活のリズムを整えてくれる神経です。その働きが乱れると疲れやだるさ、からだに不調が現れます。ストレスの多い現代人は、総じて自律神経失調気味で「病気でない病気」に悩んでいる人が多いです。指圧には自律神経、とくに副交感神経を整える働きがあります。これを整えることで内臓の働きが整い、体調が上向いて「病気でない病気」を改善する効果があります。

ツボはからだの表面に分布しています。しかし実際には、ツボは表面より少し深いところにあるのです。そして普段は厚みのある皮膚にガードされて、ツボは不必要な刺激から守られています。ツボの力を引き出すためには、このガードを解く必要があります。指圧のソフトは圧には皮膚のガードを弛め、そしてツボの警戒を解いてツボから力を引き出す効果があります。

肩こりを肩だけの施術では、効果は一時的な事はよく知られています。それは肩こり一つでも、それが凝るには全身の疲労や緊張があるからです。施術を全身的に行うと数回の治療で改善し、しかも治療効果が長持ちする事が多いのです。指圧の行う全身指圧は全身を均一に施術し、その結果数回の施術で体調を改善する効果があるのです。