経絡を活用して『肩こり』を治す方法…

肩こりの治療を頼まれました。ところがコリの部位が少々違った部位にありました。

肩こりは一般に首の付け根のやや背中側(僧帽筋)に出る事が多いのですが、まれにその前面、鎖骨の上の窪み(胸鎖乳突筋)にコリが出て症状を訴える人がいます。この人もこのタイプでした。このタイプも頸の付け根に症状が現れる事から普通の肩こり同様、「強く押して…」と強圧を要求される事が多いです。事実多少の強圧でも効かない程のコリがある事もあります。ただここは微妙な場所であり、患者さんの要求通り強圧を施すことが正しいかどうか検討する必要があります。つまり安易に強圧するとめまいを起こしたり、ショック症状や神経症状を呈したりする事があると言うことです。

この場所は、僧帽筋と胸鎖乳突筋に囲まれ血管や神経が複雑に絡まっている所です。

また触ってみると判りますがこの鎖骨上窩の窪みは筋がブヨブヨと柔らかい(破線で囲った場所)。漢方的な表現で言えば「陰」の部位です。要するに他の部位と比べて強い圧で押してはいけない場所と言えます。今回ここに強いコリができて「強く押してくれ」と言われているのです。要求どおり強圧してあげたい、しかし強圧しす過ぎると危険な部位…。つまりこの課題をどうクリアーして施術するかという事です。

さて、みなさんならどう指圧しますか…?

肩こり

●経絡治療にチャレンジする
 一つのプランとして窪み上にあるコリは最初は触らないで、まず全身指圧で間接的に緩めてみます。次にそのコリを拇指圧(肘圧などは使いません。それは刺激が強すぎるからです)で軽く押圧してみます。これで多少はコリが緩みますがまだ不十分でした。そこでどうするか。ここで伝家の宝刀(笑)の経絡を使ってみました。

肩こり治療

窪みの中にある「コリ」を左手指で押さえ、右手で右腕の付け根あたりの経絡を掴むのです。圧反応を見極めながら何度か場所を変え、一番反応の強い所。そこがツボになります。そのポイントを持続圧します。すると…コリコリした帯状のコリがスーと緩んで行きました。この方の場合は「大腸経」でした。この方法の利点は過度の圧を掛けられない場所にあるコリを遠隔操作でコリを緩められる事です。これなら事故も起きませんし安全です。

これが漢方で言う「経絡治療」というもので、コリや症状のある場所を直接触らず、そこから離れた所を刺激して治すというものです。それと言うのも、コリとツボの間には「経絡」というラインで繋がっているのでこんな事が可能なんですね。

★経絡の遠隔治療の本やDVDに関心のある方は
http://www.zshiatsu.net/zshiatsu/dvd/book_dvd/mikata_naosi.html
http://www.zshiatsu.net/zshiatsu/books/detail/6.html
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http://www.zshiatsu.net/zshiatsu/books/detail/5.html


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