家族はわがまま…。家族の指圧はやりずらい

連休で久しぶりに実家に行くと母親が肉離れを起こして休んでいました。
どうしたのかと聞くと外出時に転倒して腰を打ち、背中のスジが肉離れをしたそうです。既に二週間ほど過ぎたけれど、痛くてまだ腰を曲げられないと言います。歩き方も力なくヨボヨボしていました。そんない酷い状態ではなかったようですが、「指圧をうける?」と聞きますと「うん」と言うので施術をする事にしました。しかし身内は結構大変なのです。

 

身内に指圧をすると…

腰が痛いし、折角来たのだから指圧をしてくれと言う事になりました。

ではそこでうつ伏せになってと言うと、痛いからダメだと言います。

じゃあ、横向きになってと言うとそれも痛いからイヤ。

それで、座ってやってくれと言う事になりました。

次にどこが痛いのと聞くと「その辺、あの辺…」と、中々要を得ません。

ここかと聞くと、また違うと言います。

家族は結構わがままなので、イライラしてやり難い事が多いです。

 

相手のペースに乗ると大変

背筋を切診すると痛みに効く「虚」のツボが、離れた場所にありました。

そこで、その場所に指をあててじっとしていると「何だか、腰の方まで響く…」と言い出します。

そして「そこ、とっても気持ちいい」と言うようになりました。

確かめると圧しているツボに弾力がでて来たようです。

「良くなったみたいだけど…」と言って、歩かせてみると背筋がスッと伸びて歩ける感じになりました。

でも痛みはまだあるそうです。

このようにツボ療法では、相手の痛いところを直接指圧しないで、離れた所にツボを取り指圧をするのがポイントです。

そしてそのツボの状態が変われば、症状も変化するのです。

「良くなったね」と言うと、本人も納得したのかウンと頷きます。

調子が良くなると、それまでの暗い顔はどこへやら。

いつものような饒舌な母親に戻りました。

家族への指圧は、相手のペースに乗らず淡々と行う事です。

結構批評が多いので、相手のペースに乗らないように行うのが要領なのです。

 

転倒…実は圧迫骨折

面目躍如でホッとしましたが、後日聞いてみると「圧迫骨折」だったとか。

いつもの病院に行った時に整形外科に廻って診察を受けたそうです。

転んだ時の状況を聞いてみると、重い石油缶を外に運び出そうとして引っ張り上げた時、足元のバランスが崩れて転んだとか。

その時尻もちをついたそうです。

これは高齢者にはよくある事故で、高齢で骨が脆くなっている所に少しでも衝撃が加わると、骨がグシャ(ポキではなく…)と来るんですね。

 

骨粗鬆症の指圧のやり方

これは加齢による骨粗鬆症が一般的です。

骨粗鬆症は骨がスカスカになる状態ですが、骨というのは「衝撃」を与える事で強くなる性質があります。

そこで多くは骨に衝撃(刺激)を与える運動を勧めるわけです。

しかしそもそも運動能力が低下している高齢者に運動だけさせても長続きしません。

養生と運度を組み合わせる必要があります。

「運動」は室内の足踏みが最適で、一日五分から十分程度。

天気の良い日は屋外で日光浴を兼ねて行います。

 

次に「養生」として指圧を行います。

一般的に骨が脆く弱くなっている場合は、次のように指圧をします。

頬を左右どちらかを床に着けて胸を床に密着させて、うつ伏せになってもらいます。

「足踏み運動」などで足腰や背筋にストレスが加わって疲れていますので、背骨の両側を背中から腰まで(脊柱起立筋と言います)指圧を行います。

やり方は一方の手の平を「肩甲骨」の上に置いて支え、もう一方で脊柱起立筋の上を手の平、または拇指で指圧します。

圧加減は気持ちがいい程度で充分です。

指圧のスピードはゆっくりと。これを左右の起立筋に沿って行います。

次に太腿を手の平で膝裏まで圧し、ふくらはぎは手でガブリと掴むように足首まで把握圧をします。

時間にして15分程度で出来ると思います。

身体を指圧で弛めながら運動を続けると、不測の事故や転倒を未然に防ぐ事ができるのでおススメします。

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当会について

経絡指圧普及会・池袋治療室
当会は昭和63年に東京・国分寺市にてプロ指圧師の再教育の場として発足いたしました。業務内容は仕事に使える「全身指圧」習得のための入門、初級、中級の各種講座の『セミナー運営』と施術室での『指圧治療』です。特に治療では、古来から伝わる漢方式の施術を実践し、利用者の皆さんの体の不調を治す指圧を実践しています。
平成16年には活動の拠点を東京の池袋に移し、現在はインターネットやSNSで幅広く対応しながら、一方では設立の精神である「寺子屋」式にこだわり、人間臭いコミュニケーションを重視して経絡指圧の実践に努めています。
経絡指圧普及会:℡.03-3985-1060