お腹を圧して、体調のチェックを…

東京はこの数日急激に冷え込みました。日中は日は射すものの風が冷たく夜になると息が白くなります。要するに真冬の季節になったみたいです。 こんな時期決まってお腹を堅くして来る患者さんが居ます。 体調的には大きな訴えはないのですが、兎に角お腹に触れると異常に堅いのです。もちろん圧痛もあって、圧すと「痛い…」を連発します。 これは明らかに寒さによる冷えの兆候です。お腹が堅いのは何かが起こる前の前兆(ちょっとオーバー)なんですね。黄色信号みたいなものです。そこで知って得するお腹と体調の関係をお話しです。

 

お腹は体調のバロメーター

これは多く言うまでもないのですが、お腹には種々の臓器が入っています。ですからこの点から考えても、お腹は大切な場所という事はわかります。私たちは日常生活で、とかく病気ではないけれど「体調が何となく良くない」とか「からだが重い」とか言います。この様な時には、どこか内臓の働きが失調(調子が悪くなっている)している事が多いんです。ですから馬力が出ないと言うこと。これは特に病気になっている(炎症とか腫れたとか)のではなく、車で言えばエンジンの回転数が落ちているイメージで、決して故障ではない。ですから回転数さえ上げれば元に戻ります。臓器の失調もそれと同じで、働きが低下していると考えればイメージしやすいでしょう。早い話が、お腹の様子が体の健康状態を示すバロメーターになっているとも言えるんですね。私たち指圧師はこのお腹の状態を「診断」して、施術に活用しているのです。そして効果を上げています。

お腹の健康は自律神経が…

お腹の各臓器は自律神経で相互に繋がっています。最近の車で言えば各装置が電線で繋がれているのと同じです。ですからその電線からキチンと情報が送られていれば、各装置はバランスよく働いているわけですが、その流れが乱れると全体の働きが狂ってしまうわけです。同様に自律神経も働きが乱れると、各臓器の調和が乱れ、お腹の働きが狂ってしまうわけです。
ご存じの方も多いと思いますが、自律神経には交感神経と副交感神経の二種類があります。交感神経は「興奮・活動系」の神経。副交感神経は「鎮静・リラックス系」の神経と言われています。とくに臓器はリラックスしている時に働き良くなるので、「副交感神経」が強めに働いている時が調子がいいのです。逆に「興奮・活動系」の交感神経が強めだと不調になりやすい。ですからお腹を診る場合には、この自律神経の状態を頭に入れておくといいです。

良いお腹の状態を知る…

お腹を診るには、西洋式の「触診」と東洋式の「切診」とがあります。前者の場合は、指先でお腹の臓器の腫れや炎症、形態異常を観察する事です。一方後者の場合は、腹壁の状態を観察するのです。腹壁の状態とは、お腹を軽く圧した時に「コリや張り」があるか、また「圧痛(圧した時の痛み)」があるかをチェックします。また呼吸時のお腹の上下の動きにも着目します。



一般に健康無病の時は「コリや張り」も「圧痛」もありません。お腹はフワフワ、ふかふかしています。そしてリラックスしている時は、お腹は呼吸に合わせてゆったり上下しています。つまり睡眠の時のように深く上下しているんですね。反対に緊張している時は浅く上下しています。これらを総合して体調の良し悪しを判断するわけです。

自分で体調を調べるには…

例えば朝目が醒めた時、布団の中で自分のお腹を圧してみます。この時コリや張り、痛みがそれ程なければ、その日の体調は良いと言えます。「ちょっと多いかな…」と感じた時は、最近の生活を振り返ってみて下さい。必ず思い当たる事があると思います。これで直ちに病気だ…という事ではありません。ちょっとした健康管理法です。ぜひやってみて下さい。

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 当会は昭和63年に東京・国分寺市にてプロ指圧師の再教育の場として発足いたしました。業務内容は仕事に使える「全身指圧」習得のための入門、初級、中級の各種講座の『セミナー運営』と施術室での『指圧治療』です。特に治療では、古来から伝わる漢方式の施術を実践し、利用者の皆さんの体の不調を治す指圧を実践しています。
 平成16年には活動の拠点を東京の池袋に移し、現在はインターネットやSNSで幅広く対応しながら、一方では設立の精神である「寺子屋」式にこだわり、人間臭いコミュニケーションを重視して経絡指圧の実践に努めています。
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